sound of jbl
JBLが聴ける店 vol.58
静岡・熱海

cafe Blue moon

スペシャリティコーヒーと手作りスイーツを『JBL Harkness + 075』とともに
cafe Blue moon
Date: August 4, 2023

にぎやかな商店街を抜け1枚の扉を開けると、国道沿いとは思えない静けさの中、心地よいジャズが流れてくる。熱海にあるcafe Blue moonだ。

100年続く老舗中華料理店から憧れのJBLを並べたカフェへ

もともとは代々続く老舗中華料理店から、2023年4月末にカフェへと装い新たにオープンした。

扉を開けると、国道沿いとは思えない静け道路沿いに佇むcafe Blue moon。 さに包まれる。

道路沿いに佇むcafe Blue moon。
扉を開けると、国道沿いとは思えない静けさに包まれる。

「親子3代で100年ほど続く『濱よし』という中華料理店でした。おかげさまで地元の皆様や観光客の方々からも、ご贔屓にしていただいておりましたが、人生は一度限りと決断し、若い頃から好きだったジャズ&オーディオと、深く探究し続けている珈琲の世界で、熱海で暮らす人達に、香りと音楽を通して癒しと元気を与えることが出来ればと思いました。

また、妻がケーキ作りが好きで、お客様に美味しいケーキも提供したいと思っていたことです。
インテリアなどのセンスなども、僕より妻の方が優れているので、そのあたりはお任せしています(笑)お互いの足りない部分を補完し合って日々、くつろげる空間のジャズカフェをオープンしています。 」

とはいえ、代々続く老舗店。家族の反対はなかったのだろうか。 

ゆったりとしたレイアウトも、 居心地の良いカフェにしたいというこだわりから。

ゆったりとしたレイアウトも、
居心地の良いカフェにしたいというこだわりから。

「うちには娘が3人いるのですが、以前の店の時には、あまり家業に興味を示さなかったのですが、カフェに変わってから、目の輝きが違うような気がしています(笑)
もしかしたら、そのうちに風向きが変わるのかもしれません。 」
 
中華料理店時代から、店内ではJBLのスピーカーでジャズを流していたそう。そんなオーナー・柳下さんのマニアっぷりは幼少期からだった。

子供の頃からJBLオーディオのイラストを描いて 憧れの空間を想像していたというオーナーの柳下さん。

子供の頃からJBLオーディオのイラストを描いて
憧れの空間を想像していたというオーナーの柳下さん。

「子供の頃、自宅にビクターのコンソール、いわゆるレコードとラジオとスピーカーが一体型になったコンポのようなものがあって。親の趣味で、そのオーディオシステムでシャンソンやポピュラー音楽を聴いていました。だからオーディオには自然と興味を持っていて。ちょうどそのころオーディオブームもやってきたので、雑誌でJBLのスピーカーを見てはカッコいいなぁと憧れていました。中でもJBL4343のブルーバッフルのスピーカーはすごくカッコよかった! とはいえ、小学生の頃はもちろん自分で買うなんてこともできなかったので、『この空間に、これとこれを置きたいなぁ』と空想しては理想のオーディオ空間の絵を描いていました。当時は『将来、ジャズ喫茶を』みたいなことは考えていなかったですが、絵も描いていたくらいですから、心の底にはそういった願望を持っていたのかもしれないですね」

カウンター下にどっしりとJBL Harknessが鎮座し、良質なサウンドを届ける。

カウンター下にどっしりとJBL Harknessが鎮座し、良質なサウンドを届ける。

JBLのオーディオの話になるとひときわ目を輝かせる柳下さん。念願の初JBLは20代の頃だったという。

「昔から雑誌をめくれば魅力的なJBLのオーディオが載っていて、ずっと憧れていました。でも値段的に簡単に買えるものではなくて、ずっと欲しいなという気持ちを持っていました。初めて買ったのはJBL 4312。ちょっと無理をして購入しました(笑)。そこからだんだんと大きなものも揃えていきました」

用意されているのは多数のオーディオ機器。 楽曲やリクエストによって適切なものを使い分ける。

用意されているのは多数のオーディオ機器。
楽曲やリクエストによって適切なものを使い分ける。

 

店内の機材をきっかけにオーディオに興味を持ってもらえたら

現在cafe Blue moon店内で使用しているメイン機材は、1950年代に登場したスピーカー・JBL Harkness(ハークネス) にツイーター 075を足したこだわりのシステム。それをこちらも名機と謳われるプリメインアンプJBL SA600というラインアップ。

流す音楽や音量は、店内の様子を見ながら決め、お客様の波長に合わせる

流す音楽や音量は、店内の様子を見ながら決め、お客様の波長に合わせる

「ハークネスとSA-600アンプの組み合わせは何とも絶妙。最高にジャズを楽しめるのがJBLだと僕自身は思って信頼しています。ハークネスには075ツィーターを追加していますが、ボリュームを上げても、キツさを感じさせず、低域から高域までスムーズに鳴ります。包容力があり温かいヒューマンな音質です。JBLはジャズ専用というわけではないですが、実際ジャズの核心をついていて、音響的快感と音楽的感動を併せ持つと思います」

店内のオーディオにはすべて機材名が明記されている。

 

オーディオをきっかけに話が膨らむことがうれしいとのこと。

店内のオーディオにはすべて機材名が明記されている。
オーディオをきっかけに話が膨らむことがうれしいとのこと。

店内のオーディオ機器には、ぱっと見てわかるようにそれぞれ機材名も明記されている。  

「オーディオに詳しいお客様もいれば、機材には詳しくないけど『いい音ですね。何のオーディオを使っているんですか? それはどんな機械なんですか?』と聞いてくださるお客様もいて。そこから機材に興味を持ってくださったり、オーディオの話に花が咲いたりするとやっぱりうれしいですよね。コーヒーや食事を楽しんでいただくのはもちろん、せっかくなので音楽も楽しんで帰っていただきたいので」 

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。
店内にはその一部が並ぶ。

機材のほとんどがヴィンテージもの。その理由にも柳下さんのこだわりが光る。

「僕自身が50年代、60年代のモダンジャズが好きなので、店内でもそのあたりのものをかけることが多い。だからオーディオも、レコードの録音された時期と同年代のものを使うようにしているんです。同じ時代のものを使うと、聴き心地も一味変わってくるんですよ。もちろん現行の機材の良さもあるので、この先もいろいろ機材は揃えていきたいとは思ってはいます」

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

レコードプレイヤーはThorens TD124とGarrard 301(取材時Garrard 301は修理中)。
CDプレイヤーも用意されているので、CDも聴くことができる。


目指すは時間を気にせず、リセットできる心地よいカフェ

一方で、ジャズやオーディオに詳しくなくても心地よいのがcafe Blue moon。

「“お客様がくつろげる空間にしたい”という気持ちでお店作りを始めました。かけるレコードも、お客さんを見ながらジャンルや音量などを調整しています。例えば昼間、おしゃべりしたい2人組がいらっしゃったらあまりうるさくない音量で軽めのジャズをかけたり、ジャズが好きなお客様がいらっしゃったらしっかり聴こえる音量にしたり。リクエストにも応えますよ」 

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

 

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

もちろんオーディオに詳しくない方の来店も大歓迎。
サイフォンで丁寧に淹れられたコーヒーが優しく迎える。

店内は客席数も少なく、ゆったりと過ごすことができる。

「本来であれば、この席数だともったいないと思うのですが、お客さんが落ち着いて過ごしてくださるのが一番。ゆっくりくつろいで、おしゃべりしたり、本を読んだり、音楽を楽しんだりしていただければと思って店内のレイアウトを決めました。ドアも厚めにしているので、道路に面してはいますが車の騒音なども気にならないと思います。この空間だと、音が響きすぎてしまうので、実は吸音材も入れていて、ちょうど良い音量で音楽を楽しんでいただけるんじゃないかな」 

もちろん、音楽だけでなく、おいしいコーヒーとこだわって作られたスイーツも味わうことができる。cafe Blue moonを開く前から柳下さんが愛飲していたスペシャリティコーヒーをサイフォンでじっくり淹れてくれる。そんな柳下さんの思うコーヒーとジャズの共通点は「奥が深いところ」。

「ジャズも、派手なものや落ち着いたジャズ、ボーカルの入ったものや楽器だけのものなど様々。コーヒーも同じで、産地や淹れ方などによって味が変化します。魅力がたくさん詰まっていて、知れば知るほど新しい発見もあって、興味がつきません。楽しいですよね」  

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

 

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

オススメは奥様による手作りのシフォンケーキ。
季節限定の夏色のソーダ水はクリームソーダにも。

cafe Blue moonは柳下さんのあくなきオーディオ愛、コーヒー愛の詰まった空間だ。

「いつ訪れても時間を気にせず、ゆったりしたひと時を過ごせるようなカフェ。心がナチュラルに緩やかになれて、気持ちをリセットして再起動できるようなスペースにしたいです。『あの店に立ち寄れば、ヴィンテージJBLのスピーカーからジャズが流れ、香り高いスペシャリティコーヒーと、手作りのシフォンケーキを楽しめる』と思ってもらえるような場所にしたいです。JBLスピーカーとも一緒に時を過ごすことで、より親密な音をお届けられる場所になっていけばいいなと思っています」  

柳下さんのレコードのコレクションは3000枚ほど。 店内にはその一部が並ぶ。

SHOP DATA

cafe Blue moon

静岡県熱海市銀座町5-9
  • 月曜日
  • 13:00~18:00
  • 定休日
  • 不定休